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ホールアースカタログhttps://archive.org/details/the-electronic-whole-earth-catalog ホールアースカタログは気に入った店にはほとんど置かれていたのが出会いでした。時代の空気感を纏い、様々な道具や万象のテキストや挿絵と写真に満ち溢れ、全米図書賞を受賞したアメリカ風俗の金字塔です。ライターであり、編集者のスチュアート・ブランドをはじめとしたフィルターを通ったモノだけがカタログに掲載され、Stay hungry. Stay foolish.というメッセージはスティーブジョブス氏のスピーチによって、Ｚ世代にも広く認知されました。ホールアースカタログを初めて手にした当時、ある種の目覚めを促された様に思いますが、書籍が示す志とは相反し、今ではすっかり煩悩と物欲に囚われています。こちらの茶装具カタログWhole Tea Catalogは野蛮で莫迦な男子の茶事にまつわる品々のカタログと思っていただければ幸いです。 -
テムレスアウトドアにおいて、手がかじかみ、作業が制約される状況はとても危険です。 雨の日や降雪の状況では手袋の選択と性能がとても重要な要素となります。 ショーワグローブのテムレスは正に餅は餅屋の製品で、透湿性と防水性を兼ね備えて湿気を外部に放出しつつ、裏布もある為、ムレを軽減できる手袋です。滑り止めもついて、軽くて、とても手頃。道具を洗ったり、雨の日のトレッキングなどで隙がありません。エリート過ぎる手袋のビビットな色はむしろ可愛げかなとも思えます。裏起毛になっている冬用のブラックはクール一辺倒で、冬のアウトドアギアとしても雨の自転車やバイクの運転でも頼もしい相棒です。 -
玩具アウトドアやキャンプでする事は人によって様々です。お茶を点てる事もそうですが、魚や鳥を追ったり、絵を描いたり。仲間が集まった時には、道具談義や闇鍋、楽器のセッションをしたり、許されれば焚火でウットリと。野外でも屋内でも仲間が集まって宴もたけなわになったとき、文字通りの切り札として登場するオールドスクールな玩具たちです。もてなしの気持ちで荷物に滑り込ませれば、テントのなかで幾日も停滞するハードコアな冒険者にも、海や山、ピクニックでも、皆さんがいつの間にか熱狂してしまう古い共通の友人として、ちょっとした空白時間のお供となるでしょう。 -
ロッキーカップシエラネバダ山脈は標高が高く、ロッキー山脈はその何倍も広大です。ナチュラリストの始祖John Muir設立のクラブからシエラカップは生まれました。そのカップへのリスペクトと革新からサンディエゴのバックパッカー Charles A Hillがロッキー山脈の広大さにあやかって作り上げたカップがロッキーパイントカップです。容量を増やし、考え抜かれた安定した形状は様々な使い方が出来ます。初めて自分で購入したアウトドアギアがこのカップでした。カップとして紅茶やコーヒーを飲むには少年には少し大きすぎて戸惑ったのをよく覚えています。どこへでも持ち歩き、野外で色々な事に使ううちにその汎用性に気づかされ、道具を減らす楽しさと安価で丈夫である正義をカップが教えてくれた様に思います。抹茶を点てるのにも大きさ的には良いですが、（今は）キッチンで毎日活躍しています。 -
デカゴンストーブVargo Decagon Stoveは液体燃料のアルコールを使用するアルコールストーブです。この製品の最大の長所は丈夫な点です。液漏れしない為の蓋やゴム、シリコンの類いが無く、可動部分を排しているので熱に強い。そして一体型のチタン製のボディーはうっかり踏んでしまっても致命的な故障にはならないでしょう。アルコールストーブは極端には飲み物の空き缶でも作る事が出来ますが、アルミの素材ではそうはいきません。 そしてなりより、名前がカッコいい。デカゴン。10個の穴がある淵部分を上にすると、シェラカップやロッキーカップにフィットするように作られています。風よけが必要だったり、燃料を戻しづらかったりと、使うのにコツが要りますが、ゴトク要らずの削がれた佇まいが魅力です。 -
Firebox Nano StoveFirebox Nano Stoveは、ネイチャーストーブとしてカテゴライズされます。ちいさな暖炉のように、ちいさな薪を横の大きな穴や上から刺して使います。アシンメトリーのデザインで、少し歪んだ台形をしているフォルムは剛性感があり、上からの加重にも強いため、安心して使用できます。製作者のネイチャーストーブへの造詣の深さが、隅々まで行き渡っているのです。現代では、モラルとルールがつきものの焚火をより身近にし、コンロや風炉として効率的に扱えます。そして何より究極的なのは、野山に入れば薪である小枝に事欠かず、燃料を持ち運ぶ必要もないのです。野点の原点である野ガケでは、豊臣秀吉に千利休が松の葉や松ぼっくりなどで湯を沸かしお茶を点てたとありますから、正統ともいえる製品です。 -
シートパット野点は野で茶を点てることであり、基本的に屋外での茶事を指しています。あくまでも個人的になりますが、野の定義をField(場)と解釈し、どこでもお茶を楽しむこと自体を野点（NODATÉ）としています。正式な茶の湯に於いて野点は割と自由な茶事ですが、教則的な状況で欠かせないのが毛氈などの敷物です。野において運よく椅子やテーブルがあれば、敷物無しでもお点前である立礼の野点を楽しめる事でしょう。本格的な野であるウィルダネスには椅子やテーブルは無いのですが、そんな時に便利な道具があります。折り畳み式のシートパットはフォールディングシートなどとも呼ばれ、コンパクトで持ち運びやすく、バックパックの背中に差し込めば緩衝材にもなります。取り出して座ってもらえたらならばいつでもどこでももてなしが可能です。デンマーク発のflyng tigerで見つけたシートを毛氈に見立てHygge（ヒュッゲ）な時間を楽しみます。 -
Esbit固形化された燃料は、災害時や遭難時の備えとして優秀です。80年代には、スイス製のMETAと共にドイツ製のEsbitが山道具屋や量販店に並んでいましたが、今ではEsbit一強となっています。Esbitのポケットストーブは、燃料の箱をストーブの中に収納することが可能です。まだベルリンに壁があった頃に防災や予備ストーブとして購入したもので、Ｗ.Germanyという旧西ドイツの刻印があります。当時、ストーブとして主流だったColemanもMSRも今ではすっかり出番がなくなりました。軽さは正義とばかりに、今でも現役です。故郷は統合を叶えて時代は変わっても、固形燃料ストーブの第一線を歩み続けています。簡素で丈夫、風炉と燃料が一体化されたデザインにドイツの美意識を感じます。 -
ハングリーキャンパー金曜日の夜に慌ただしく兄弟の住む海外へ逃避していた時期があり、荷物はアタッシュケースと土産の書籍だけとし、旅道具のオーガナイザーを改めずに一緒に放り込んでいました。あるとき渡航先の女性検査官に怪訝な表情でアタッシュケースの中身の説明を促され出てきたのはこのHUNGRY CAMPER、、ナイフ付きのスポークです。以前レターオープナーで経験済みだったのですが、セキュリティーチェックでの不意の愛良品との別れは後から辛い。一瞬で覚悟はしましたが、横に居た男性の検査官がスポークに記されたその文字をしげしげと眺めてからチェックイン方向に首をひねり、微笑と共におとがめなしと通してくれたのです。 このスポークはそんな愛敬をもつカトラリーです。機能豊富な長い柄は袋のまま食す山での食事にも有効で、超軽量なロングハンドルチタンスプーンの登場まではいつも旅と共にありました。茶杓としても優秀なのはもう一つの愛敬です。